緊急特別連載
ー忌野清志郎・伝(2)ー
渋谷の宮益坂にあった音楽喫茶「青い森」は、100人も入ったら、もう息できなくなるほどのスペースだったんだ。
普通日の昼の部は、客は数える人しか居なく寒いステージが行われてるが、土曜日の夜はミュージシャンによっては超満員になるンで青い森の出演者たちは週末アーティストをめざしたもんだ。
初期のRCサクセションもいつかは〜と、青い森・土曜夜ステージを狙ってたのだから驚いた!
なんで驚いてたか分からんだろうからなるべく細かく説明してあげよう。
初期のRCサクセションは凄い演奏力を持っているにも関わらず、客を客とは思わぬソノ態度に、演奏終了時には客がほとんど居なくなったコトが何度かあったンだよ。
可愛い顔した忌野清志郎の口から、今で云う日やけギャルに向かって「おい!そこの炭鉱夫!」と云い放ち、ブスのくせにしゃれこいてンじゃねぇ−と続ける。
怒って席立つのはあたり前、RCの数少ない追っかけギャルにも平気で傷つけることを云い〜泣かして帰えしてしまうンだからスゴイ!。
70年代の初頭だぜぇ〜客にバカヤロ云おうものならすぐ険悪状態となり、暴動になってもおかしくない時代だった。
ヴェトナム戦争はまだ終わって無かったし学生運動も続いてた。フォークもロックも勢いづいて殺気立った空気がライブ会場に流れてたしな。
たとえ小さな音楽喫茶でも客いじりは危険だったハズ。
なのに初期のRCは客を挑発し続け、何度も客を凍りつかせたンだ。
だが、孤軍奮闘のRCと思いきや〜なんとなんと、もうひと組、客を圧倒するグループが居たのだ!。
「古井戸」である。
初期のメンバーは、加奈崎芳太郎・仲井戸麗市・奥津光洋の3人組。加奈崎のボーカル力、仲井戸の太いギターサウンド、奥津のブルースハープが地を這うように押し寄せて来たときゃ〜もうトリコになっていたよ。
古井戸もまたRCほどでは無いにしても、客に対し高圧的ではあったのだからたまらん!。
ふたつのグループは互いに尊敬し合ってて仲が良かった。そしてめざすは青い森土曜満員の夜ステージだったのだから恐れいる(笑)!。
とにかくオレにとって此の出会いは、かなり大きい出来事になったンだ。
そして21歳のオレは、RCサクセションと古井戸に吸い寄せられるよう青い森のオーディションを受け、1ステージ300円のギャラしか出ないライブを体験することになって行くのだ。
若かったアノ頃は、ホントに何も怖くなかったのである。
つづく
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